無申告の税務調査の流れ①
こんにちは。札幌の税理士吉田です。
無申告の税務調査は通常と違う流れになります。解説していきます。
税務署からの連絡(事前通知)
原則的には税務署から事前通知といって「電話」にて調査日時や調査期間などの連絡があります。
ただし、無申告者の場合は、故意に申告をしないでいることも考えられるので、突然事業所などに税務調査官が来所することがあります。
また、その他にはお尋ね文章(申告すべき所得があるかどうか)が送付又は持参してくる場合があります。(お尋ね文章の場合の多くは行政指導なので、税務調査に発展しないこともあり得ます。)
突然来訪してきた場合には、正当な理由(例えば、これから取引先と打ち合わせがあるなど)があれば拒否はできます。
ですが、いずれにしても税務調査は必ず受けなければいけないので、遅かれ早かれ実地調査という流れになります。
実地調査
電話連絡のときは、その時に実地調査の日時を確認されます。
突然来訪したときは、その時が実地調査の日になります。
実地調査には以下のことを聞かれます。
・社長の経歴
・事業の内容
・申告すべき所得があるかどうか
・帳簿を作成するための書類(領収書、通帳、請求書など)の確認
などがあります。
税務調査官としては、やはり申告すべき所得があるかどうかが一番知りたいところです。
法人の場合は、赤字でも黒字でも申告義務はありますが、個人の場合は赤字の場合申告しなくても良いことになっています。
また、赤字の場合であっても消費税が発生する場合がありますので、多くの場合は、申告数値の確定に向けた話し合いがなされます。
申告数値の確定
税金を課すには、売上、仕入れ、経費などを集計し、利益(所得)を算出する必要があります。
そのためには、領収書、請求書、通帳などなどを見ながら帳簿を作成する必要があります。
帳簿が無くては所得が確定できませんので、どの税務調査でも帳簿を作成するという話になります。
帳簿の作成に関しては3通りあります。
税務署が作成する方法
税務署が資料を預かり作成する場合です。
納税者にとっては楽なんですが、集計内容について事細かに確認されることは少ないと思われます。
税務署としても調査に充てられる日数に限りがあるので、売上についてはしっかりと集計しますが、経費についてはそれほど真剣には集計していられないというのが現状です。
経費の漏れなどもあった場合、税金が高くなるのであまりお勧めはしません。
納税者が作成する方法
納税者が作成して、税務署にみてもらうという方法もあります。
ですが、やはり納税者は税務会計のプロではないので、正確には作れないと思います。
また、これまでずっと申告無申告であった訳ですが、どの程度税務署が了承してくれるか、という疑問もあります。
現実的には難しい方法です。
税理士が作成する方法
税理士が作成する場合は、きちんと売上、経費を集計します。
また、納税者の方が想定し得ない経費についてもアドバイスをくれます。
納税額的には税務署や納税者が作るより安くなる場合が多いです。
また、帳簿作成後は税務署に提出しみてもらいますが、的確に税務署と交渉がが可能です。
調査立ち会いや帳簿作成の料金はかかってしまいますが、納税者としては安心感があります。