税務調査連絡があってから実地調査までに修正申告した方が良い?

こんにちは。税理士の吉田です。

税務調査の連絡があって税務署が来る(実地調査の)日程が決まったとします。

きっと実地調査までに調査対象年分の帳簿書類を準備したり見返したりすると思います。その時に、

「あれ?この収入が申告されていない。どうしよう・・・。」

ということもあるかも知れませんね。

その場合の対処方法を書きたいと思います。

何もせず税務調査に臨む

税務署の対応

実地調査の初日に「この収入が漏れているんですが・・・」と正直に言った方が無難です。

それは、どうせ見つかってしまうのなら早めに伝えた方が心証が良いという側面と、後で説明しますが、故意に収入を隠したのではないということにもつながります。

できるだけ調査協力した方が税務署の対応も柔軟な傾向があります。

もちろん、税務署も神様ではないので、こちらから言わないと収入計上漏れを発見できない場合があります。でも、私は税理士なので、見つかるまで放っておきましょうとは言えません。

加算税など

申告漏れがあると以下の税金がかかります。「過少申告加算税又は重加算税」や利息的な性格を持つ「延滞税」がかかります。延滞税については割愛します。

過少申告加算税は金額によって本税の10%又は15%かかります。

重加算税は本税の35%かかります。

過少申告加算税か重加算税どちらになるのかは、わかりやすく言うと、脱税してるか否かです。

単純な計算ミスや法令解釈の相違なら過少申告加算税、故意に書類を改ざんしたり隠したりすると重加算税です。

税務署としては重加算税を取ると過少申告加算税よりも内部の評価が上がるので、なるべく重加算税を取りたいところです。ですので、収入もれがあったときに、最初に正直に言うと、故意ではないという一つのアピールにもなります。もちろん最初に正直に言ってもダメな場合もあります。

重加算税を課される要件は複雑ですしケースバイケースなので、きちんと顧問税理士相談の上税務署に反論していきましょう。

実地調査までに修正申告を提出する

税務署の対応

税務署は調査の連絡(事前通知)をしてから実地調査までに、その会社のことを色々と調べたりします。

例えば調査前日に修正申告書を出された場合、その修正申告を含めたところで税務調査をすることになります。

税務署としては、時間のない中で修正申告の内容も確認するということと、実地調査で発見したら自分の手柄にもなるということで、感情的な部分で面白く感じないという方もいるかも知れません。

また、実地調査時に「どのような経緯で修正申告を出されたのですか?」という経緯は必ず聞かれます。

納税者としては嫌な思いをするかも知れません。

加算税など

加算税はちょっと実地調査時に発見される場合と少し取り扱いが違います。延滞税もかかりますがこれについては割愛します。

過少申告加算税

過少申告加算税は平成28年12月31日までに申告期限が到来するものはかかりません。ゼロ円です。これは自主申告という扱いになるためです。

平成29年1月1日以降に申告期限が到来するものは、金額によって5%又は10%の過少申告加算税がかかります。

わかりやすく言うと、個人の場合は平成28年分から、法人の場合は平成28年10月末決算からは過少申告加算税がかかります。

これとは別に、実地調査で新たに申告漏れが見つかった分については、申告年分にかかわらず10%又は15%の過少申告加算税がかかりますのでご注意ください。

重加算税

重加算税については平成28年12月31日までに申告期限が到来するものは基本的にはかかりません。それは、重加算税が「過少申告加算税に代えて」という定めがあるためです。

しかし、平成29年1月1日以降に申告期限が到来するものは、本税の35%がかかります。

つまり、平成28年12月31日までに申告期限が到来するものについて修正申告をしておけば、ほぼ重加算税のリスクは避けられるということになります。

※ 重加算税については改正に伴い35%以上となる場合があります。必ず税理士に確認の上ご検討ください。

事前の修正申告に関する弊所の対応について

弊所では、事前に申告漏れを発見した場合、必ず実地調査前に修正申告をするか否かはきちんとご説明させていただきます。

弊所としても、実地調査はもめることが少なく行った方が良いと考えておりますが、過少申告加算税の税額が低くなること、重加算税のリスクを減らせるメリットがあるので、きちんと説明させて頂かないと、お客様から説明不足ということで損害賠償を受けることになりかねないからです。

お客様によって、調査当日まで何もせずに調査を穏便にしたいという方と、加算税をなるべく低くしたいという方がいるので、どちらの方法が良いでしょうというアドバイスはすることができません。

2つの方法それぞれのメリット・デメリットをきちんとご説明しますので、お客様に検討していただきどちらかを選択していただきます。

事前に修正申告をする場合は、書類に目を通し修正申告書を作成するのにも時間がかかりますので、調査当日まで時間があまりない場合、修正申告書作成が間に合わないこともあります。

取り急ぎ早めのご相談をされた方が良いと思います。

以上です。

 

新陽税理士事務所への税務調査立ち会い依頼は下記をご覧ください。

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